令和3年度の海音寺潮五郎記念文化講演会

令和3年度の海音寺潮五郎記念文化講演会を,10月16日(土)に開催しました。

 

 講演に先立ち,鹿児島純心女子高等学校放送部の皆さんが,海音寺潮五郎作品の『田原坂 小説集・西南戦争』から「戦袍日記」を朗読しました。

 コロナ禍によるまん延防止措置の中で、練習方法を工夫し,短時間で集中した練習を行ったそうです。高校生の見事な朗読に,参加された方々からは「2人の少年の死までの臨場感がすばらしかった」,「最後に自分たちの言葉で訳して朗読されたところが心に残りました」,「海音寺潮五郎生誕120年にふさわしい立派な朗読だった」などの感想が寄せられました。

 

 引き続き,直木賞受賞作家の佐々木譲氏の講演が行われました。佐々木 譲 氏は,北海道のお生まれで,第142回直木賞をはじめ,山本周五郎賞,日本推理作家協会賞等数多くの賞を受賞されています。今回の講演は,日本の北部に住む人々の「維新史の視点」で講演を行ってくださいました。鹿児島に住む私たちにとっての「維新」は薩長の物語ですが,北の土地に住む人たちには北の人たちの物語が,幕府側の人には幕府側の人たちの物語があり,それぞれの土地によって維新史の捉え方に違いがあることに改めて気付かせてくださいました。また,歴史ではあまり語られない人々のお話は,史実の奥深さを感じるとともに,もっと知りたい,学びたいという意欲もかき立てられました。

 

 参加した方々からも「歴史を見るときの多様な視点や重要性を改めて確認した」,「北の藩や幕府側から見た維新史で知らない史実,人物の話をしていただき勉強になりました」「まるで映画を見ているような話の展開で,感動する話を聞けたことに感謝します」等の感想が寄せられました。

 

 今年度も,新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,募集定員の削減や検温マスク着用の措置を講じての開催となりました。申込みや入場等,御理解と御協力をいただき,ありがとうございました。

 


【鹿児島純心女子高等学校放送部の皆さんによる朗読の様子】

 

【講演の様子】