特別講演会の様子

特別講演会を開催しました

 

 令和3年12月11日(土),特別講演会を開催しました。

 演題は「前田正名と殖産興業~地域振興を目指して~」,講師は志學館大学の原口泉教授でした。

 今年は,前田正名の没後100年です。前田正名は,数え年9歳で八木称平の門に入り,開成所に学びます。薩摩藩英国留学生には選ばれませんが,長崎留学を許されます。長崎では五代友厚たちから影響を受けます。洋行の費用を作るため,和訳英辞書,いわゆる『薩摩辞書』を兄献吉や高橋新吉と編纂。大久保利通と大隈重信のはからいで渡仏。帰国後,殖産興業に献身します。農商務省では,松方正義のデフレ政策と衝突。下野したのちは全国隈なく巡って地方産業振興の民間運動,遊説に従事します。(講演内容を一部抜粋)

 参加された方々から,「幅広い人物交流と歴史的事実がつながって生き生きしたお話でした。」「多方面に分かりやすく講演していただいた。」「鹿児島の偉人にもっと目を向け,地方再生の礎にすべきと改めて感じました。」「前田正名の素晴らしい功績や五代友厚,松方正義とのかかわり等も興味深く感じ入りました。それぞれ立場は違いましたが,明治日本の発展に大きく貢献されました。」「とても貴重な講演会にいっぱい元気をもらい,感謝しています。」などの感想が寄せられました。

 

 原口先生は,ご著書『世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵』(PHP研究所),『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』(燦燦社),『薩摩藩と明治維新』(志學館大学出版会)の中でも前田正名を論じられています。3冊とも当館の郷土資料コーナーに配架されています。

 なお,前田正名の『興業意見』や『所見』をお読みになりたい方は,『明治大正農政経済名著集1』(農山漁村文化協会)などに収められています。『明治大正農政経済名著集1』は,当館も所蔵している図書(所蔵場所:書庫,請求記号:611/メ75/1)です。