五月雨を 降り残してや 光堂 (松尾芭蕉)

 

 冒頭の俳句は,元禄2年5月13日(1689年6月29日)に,芭蕉が岩手県の平泉にある中尊寺金色堂(光堂)を見て詠んだ一句です。「五月雨」とは,梅雨のことです。現代の感覚では梅雨といえば6月ですが,旧暦では5月に雨が降り続くものだったため,この名がついているそうです。この句には,「なにもかもを朽ちさせてしまう梅雨の大雨も,この金色堂だけは降らなかったのだろうか,お堂が光り輝いているのが美しい」という内容です。

 さて,鹿児島にも「五月雨」の季節がやってきました。今年は例年に比べ早い梅雨入りとなりました。九州南部の梅雨入りが沖縄より早いのは1976年以来49年ぶり,奄美より早いのは1954年以来71年ぶりで,九州南部が全国で最初に梅雨入りとなるのは1951年からの統計史上初めてのことだそうです。

 梅雨時の雨宿りの際は,どうぞお近くの図書館へお立ち寄りいただき,読書の世界を楽しんでみませんか。

 県図協だより6月号は,「令和7年度鹿児島県図書館協会総会・研修会報告」及び「支部情報」です。是非御覧ください。