第238号(R3.1)
1. 第238号(R3.1)
3. わが町の読書グループ ~大隅支部~
神山小学校PTA「よみよみ隊」(南大隅町)
神山小学校PTA「よみよみ隊」は,平成18年4月に保護者の有志で発足し,今年で14年目を迎えました。毎月1回,朝の会の時間を活用し,各教室で朗読や紙芝居,いろいろなスタイルでの絵本の読み聞かせなどの活動を行っています。
おはなし会の日,「さあ,はじめるよー。」の声で,どの学級も静かに耳を傾け,本の世界に浸ります。子どもたちにとっては最も身近な人が物語を読んでくれるというだけで大きな意味が・・・。ましてや,それが自分のおかあさんだったら・・・。ドキドキ,ドキドキ。嬉し,恥ずかしの気分です。子どもたちといっしょに楽しみながら読み進めていきます。
「今日の読み聞かせ なあに?」
「わたし,本がだいすき。」
「この本,前によみよみ隊が読んでくれた本,自分で読みたくなったの。」
子どもたちの声がよみよみ隊のみなさん方のエネルギーになっているということは言うまでもありません。
子どもたちの「笑顔の花」がこれからも咲き続けますように・・・。
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★ 神山小学校PTA「よみよみ隊」
会員数 9人
連絡先 南大隅町立神山小学校(電話0994-24-2015)
★ おすすめの一冊
『からすたろう』 やしまたろう/文・絵 偕成社
学校ではなにひとつ覚えられず,みんなに無視されていた少年「からすたろう」
には,かくされた才能がありました。
子どものことをしっかりと見つけてあげられる教師が,友だちが,家族が,誰か
がいますように・・・。
根占のたろうは,日本の太郎となり,やがて世界のタローとなって,子どもたち
へ人間の生きることの尊さ,すばらしさを教え,その限りない愛のまなざしでエー
ルを送り続けています。心あたたまる教師像と子どもの心がそのままあらわれた
「教育とは何か」を問う絵本です。
作者の「やしまたろう」は故郷根占をこよなく愛し,実在する人や場所を題材にした
ものを多く描いています。
2. わが図書館ならではの本!! ~姶良・伊佐支部~
「ぼくはどんぐりピアノ」
霧島市立国分図書館
「ぼくはどんぐりピアノ」は令和元年,霧島市牧園町にある霧島市立三体小学校「どんぐりピアノの会」が出版した絵本です。
装丁はソフトカバーで36ページ,絵と文は平成12年の家庭教育学級のお母さんたちが作成した大型絵本を元に作られており,手作りのぬくもりと思いが伝わってくる絵本です。
物語は,三体小学校に実際にある「どんぐりピアノ」と呼ばれる古いピアノのお話です。
戦後間もない,まだ物が不足していた時代,学校にピアノがあったらと願った子どもたちは「どんぐりをくぬぎの苗に育てて,山に植樹をすればお金がもらえる」ことを知ります。昭和27年の秋の遠足でどんぐりを拾い,春には土に植え,水をかけ,草を抜いて大切に育てたどんぐりは,5万本のくぬぎの苗になりました。昭和29年10月,苗の代金などで集めたお金でついにピアノが三体小学校にやってきます。その時に,ピアノがやってきた喜びを歌った「どんぐりピアノの曲」もつくられました。子どもたちがどれだけピアノがくるのを楽しみにしていたかが伝わってくるエピソードです。
時が流れ,このピアノの物語も忘れ去られていましたが,平成9年,ピアノの調律のときに体育館の古いピアノが三体小・中学校の生徒,教員,地域の方々が協力して手に入れた「どんぐりピアノ」であることがわかりました。
みんなの思いを伝えていかなければという多くの方の気持ちが,コンサートの開催,大型絵本の作成,そして絵本の出版へと繋がりました。
この絵本にはCDも付録についており,三体小学校の児童が歌う「どんぐりピアノの曲」や,地元出身のプロのピアニストが奏でるどんぐりピアノの音色が楽しめる曲も収録されており,耳からも楽しめるという贅沢な絵本になっています。